2026年7月28日、熊本で最大震度7の地震が起きました。報道を追いながら、両方の実家と、いま自分が住んでいる場所のハザードマップを、そのとき初めてまともに調べました。
国や研究機関はハザードマップを公開しています。ただ実際に開いてみると、地図記号や色分けを読み解くのに前提知識が要り、「結局うちは危ないのか、そうでもないのか」がなかなか掴めません。情報はあるのに、届いていない。もっと気軽に確かめられるものがあっていいはずだ——そう思ったのが、自主制作のWebサービス「ソコ調(そこしら)」をつくりはじめたきっかけです。
住所を入れるだけで、その場所の洪水・津波・高潮・内水氾濫・土砂災害・地震の揺れ・火災の燃え広がりやすさ・液状化を、S(極めて高い)からD(想定なし)までの5段階で判定します。使っているのは、国土地理院や防災科学技術研究所などが公開している公的データだけです。
いちばん時間をかけたのは「数字で終わらせない」ことでした。浸水3メートルと言われても人は動けません。2階へ逃げれば足りるのか、家の外へ出るべきなのか。危険度と一緒に、その住所でまずやるべきことまで表示しています。あわせて、Dは「公表されている想定区域に入っていない」という意味であって安全の保証ではないことを、判定の手前で明示しました。
そのほか、危険度を地図に重ねるヒートマップ、自宅・職場・実家など最大4件を並べる比較、近くの指定緊急避難場所の一覧、印刷とPDF保存などを備えています。火災の燃え広がりやすさだけは全国的な公的データが無いため、建物データから木造建築の密度を割り出し、東京都が公表している地域危険度で推計モデルを較正しました。都内319町丁目で較正し、較正に使っていない40町丁目で検証したところ、相関係数0.83、±1ランク以内の一致率92.5%でした。
企画・情報設計・UIデザイン・ロゴ・実装・公開・運用まで、当オフィスで担当しています。データ解析や実装の一部にはAIも使いましたが、どのデータを根拠に何を判定するか、どこまで言い切ってどこから先は言わないか——信頼性を左右する判断は人の側で引き受けました。
会員登録は不要、料金はかからず、広告も出していません。防災の情報に、判定の中立性を疑わせる要素は置きたくなかったためです。
ソコ調(そこしら) https://sokoshira.com