2025年4月、当オフィスのWebサイトのお問い合わせフォームから、諸見様よりご相談をいただきました。「フィッシングボートを購入する予定で、船名のロゴをつくってほしい」というご依頼です。
新しく手にする船へ、ご自身で考えた名前を掲げたい。そんなご相談をお寄せいただけたことを、とても光栄に感じました。
船名は「AAA+(トリプルエー プラス)」。長年お勤めになった沖縄のサンエーを役員として退任され、3年。「サンエーに、プラスの人生を」という思いを込めて名づけられたと伺いました。
ご相談の時点でイメージはすでに固まっており、「Aを、文字であると同時に人(兄弟)として捉えたい」というお考えと、手描きのラフスケッチをご共有いただきました。3人の人型が横一本の線でつながり、その隣に「+」が並ぶ——このラフが、今回のデザインの出発点です。
ご依頼はシンボルマークのみ(ロゴタイプは添えない形)、納品はロゴデータのみ、というご要望でした。
当オフィスは、フィッシングボート「AAA+」のシンボルマークをデザインさせていただきました。
サンエーという社名が「三栄」——三者がともに栄える——に由来することを踏まえ、三者が交わりながら進む道と関わり、そして未来へ続く一つの道と、その道の先にある人生の「+(プラス)」をテーマに据えています。
3つの「A」は、頭部の円と脚のかたちによって人のピクトグラムとして読めると同時に、横一本のラインが通ることで文字の「A」として立ち上がる構造にしました。この横線は3人を貫く水平線であり、ともに歩む一本の道そのものです。人型が互いに脚を重ね合う配置にすることで、「三者が交わる」関係性を、余計な装飾を足さずに図形の重なりだけで表現しています。
船体への施工を前提としているため、線の太さは遠目でも潰れない範囲に保ち、色数は一色、かたちは円と直線だけの構成に絞りました。走行中の船体という、決して近くでじっくり見てもらえない条件でも、シルエットとして瞬時に読み取れることを優先しています。
配色は、船体が白であることから黒をベースとし、濃色の背景に載せる場合に備えて白版もあわせてご用意しました。
なお、船体への掲出イメージとして掲載している画像は、実際の船を撮影したものではありません。ご提案時にサイズ感と見え方をご確認いただくため、既製のボート写真にマークを合成したモックアップです。
最終データは、AI・EPS・PDF・PNGの各形式で、著作権譲渡込みでお納めしています。
ノートに描かれた3人と「+」。そこに込められた道のりと、これからの人生への思いを、そのままの温度で形にできた仕事だったと感じています。新しい船での時間が、どうか良いものになりますように。