スマートフォンに表示した「なまえのたね」の判定結果。五格を縦書きの図で示している
ノートパソコンとスマートフォンに表示した「なまえのたね」のトップ画面
ノートパソコンに表示した「なまえのたね」の候補比較画面。3つの名前を並べて見比べている
スマートフォンに表示した「なまえのたね」の名前さがし画面。画面下部に選択中の文字を示す固定バーがある
ソファに座った夫婦が、スマートフォンの「なまえのたね」で名前をさがしている
産院の病室で、赤ちゃんを抱く妻のそばで夫がスマートフォンの「なまえのたね」で判定結果を見ている
自宅のダイニングで夫婦がノートパソコンの「なまえのたね」を一緒に見ながら名前を相談している

姓名判断のWebサービス「なまえのたね」を、当オフィスの自主制作として企画・設計・開発しました。名前の画数や読み方を、いくつかの見方から確かめられるサービスです。

きっかけは、既存の姓名判断サイトを見比べていて感じた違和感でした。同じ名前を入れても、サイトによって結果が違う。それ自体は流派の考え方が異なるので当然なのですが、どのサイトも自分の結果だけを断定的に見せていて、なぜ違うのかは分かりません。そこで「答えを出す」のではなく「材料を渡す」サービスとして設計しました。

具体的には、新字体と旧字体の両方で数えた結果を並べて見せ、どちらの基準でも同じ結果になる名前なのか、それとも数え方で変わる名前なのかが分かるようにしています。「凶」が出た場合も、避けるべきという意味ではないことを画面上で明示しました。特定の流派を名乗らず、運勢の解釈文も書いていません。

技術面では、ページ全体を1つのHTMLファイルにまとめ、外部のスクリプトやフォント、画像を一切読み込まない構成にしました。入力されたお名前をサーバーへ送らない設計にしているため、その姿勢と実装を一致させています。候補として保存した名前も、閲覧している方の端末の中だけに残ります。

収録している文字は、名前に使える漢字2,999字(常用漢字2,136字+人名用漢字863字)、ひらがな・カタカナ166字、姓に使われる異体字849字です。画数と読みの出典にはKANJIDIC2(Electronic Dictionary Research and Development Group、CC BY-SA 4.0)を用いました。

2025年5月に施行された改正戸籍法にも対応しています。名前に付けるふりがなが「音読み又は訓読みの一部を当てたもの」であれば認められるという法務省の考え方にもとづき、読みの前方一致で判定する仕組みにしました。ただし届出を受理するかどうかを決めるのは市区町村の窓口であり、当サービスで判定できるものではないことも、あわせて明記しています。

配色は、本文・注記・リンクのすべてでコントラスト比を実測し、WCAG 2.1のAA基準を満たすよう調整しました。性別の選択に合わせて画面全体の地の色が変わる仕組みも入れていますが、どの配色でも基準を下回らないことを確認しています。

姓を固定したうえで、良いとされる画数になる漢字だけを1字ずつ絞り込んでいける「名前をさがす」機能や、候補どうしを並べて見比べる機能も備えました。

本プロジェクトは、企画・UI設計・コピーライティング・実装・検証までを当オフィスで一貫して行い、その全工程でClaude(生成AI)を制作パートナーとして併走させています。生成AIを使った制作フローを、実際のサービス開発で検証することも目的のひとつでした。

姓名判断は、信じる人にとっても、そうでない人にとっても、名前について考えるきっかけになるものだと思っています。断定を避けながら、それでも納得感のある形で情報を届けられないか——その問いに対する、ひとつの答えです。

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