親戚が集まるたび、友人を家に招くたびに、誰が何を苦手にしていたか思い出せず、その場で聞き直していました。旅行の行き先や外食のジャンルを決めるときも、一人ずつに確認して、返ってきた答えを自分でまとめ直す。たいした手間ではないのですが、毎回やっています。その繰り返しをなくしたくて企画・開発したのが、自主制作のWebサービス「スキキライノート」です。
やることは3つだけです。聞ける——リンクかQRコードを渡すだけで、答える側は登録もアプリのインストールも要りません。集まる——答えが届くと、その人の列が一覧表に増えていきます。集計の作業はなく、誰がまだ答えていないかも一目で分かります。使いまわせる——聞く項目も答え方のことばも自分たちで決められるので、好き嫌いの共有だけでなく、日程や行き先の多数決にも同じ画面が使えます。一度聞いておけば残るので、翌年また同じことを聞かずに済みます。
名前は「スキキライ」ですが、好き嫌い専用の道具にはしませんでした。3段階の呼び方は「すき/ふつう/にがて」のほかに、「へいき/すこし苦手/むり」「問題なし/様子を見る/避ける」「はい/どちらでも/いいえ」、そして2択の5種類から選べます。たべもの・のみものは6カテゴリ100項目が最初から入っているので、質問を考えずにすぐ始められます。
始め方も5通り用意しました。「たべもの・のみもの」(6カテゴリ100項目が最初から入っています)、「苦手な音・場所・感触」、「ペットの好き嫌い・こわいもの」、「介護・毎日の食事」、そして「白紙から始める」。項目をすべて消して、一から作ることもできます。
いちばん時間をかけたのは、アレルギーを3段階の「にがて」と同じ扱いにしないことでした。たべもの・のみもの・どうぶつの3つでは、3段階とは別に「絶対ダメ」を記録できます。好みの問題と、身体に関わる注意とを、画面でも印刷物でもはっきり分けました。印刷は白黒コピーでも意味が伝わるよう、背景色に意味を持たせず、記号と罫線だけで表しています。なお、記録された内容は利用者が入力した参考情報であり、医療や介護の判断を示すものではありません。
回答者の中から人数を決めて抽選する機能もあります。抽選の様子は数秒の動画として書き出せるので、結果を共有したときに「ちゃんと選んだ」ことが伝わります。難しかったのは、チラシのQRコードから答えてくれた、連絡先を知らない相手に結果をどう伝えるかでした。メールアドレスを集める案もありましたが、預かる責任と回答率の低下が代償として大きい。そこで街の福引きと同じ仕組みにしました。答えた人にその場で受付番号を渡し、抽選は番号で行い、当選番号を発表ページに出す。個人情報を1件も預からずに済みます。
企画・UI設計・実装・テスト・運用までBRIDGEが担当しました。画面はフレームワークを使わない単一のHTMLファイルで、ビルド工程はありません。外部から読み込むライブラリはデータベース接続の1つだけです。データはSupabase、配信はVPSを使っています。動作確認はPlaywrightで自動化し、39本のテストが本番に対して通ることを反映のたびに確認しています。
生成AIは、実装、文言の量産、全画面幅での表示崩れの機械的な検出といった、手数のかかる部分に使いました。何を作らないか、どの言葉を選ぶかは人が決めています。
誰でも無料で使えます。会員登録が必要なのはグループを作る側だけで、答える側・見る側は要りません。広告は入れていません。
スキキライノート https://sukikirai.app